プラズモンや光共振器などの光場と励起子との強結合は、電子状態やその緩和過程を変調することが可能です。これにより光化学反応が制御できることも報告されています。また、分子振動準位と光場との強結合により、電気伝導特性や熱化学反応の速度や選択性が変調されることが報告されており、新しい化学反応制御の手段として期待されています。このような励起子ポラリトンや振動強結合を利用した化学反応の変調を探索する研究領域は、ポラリトン化学と呼ばれ、現在世界の多くの研究者らによってその動向が注目されています。
本シンポジウムでは、ポラリトン化学を研究している4人の応用物理学系と有機・物理化学系の講師の先生が最近の研究成果について紹介を行います。特に、後半の講演では、振動強結合による化学反応制御やイオン電導制御など化学的応用に関する研究成果の紹介があります。これらの講演が、皆様の研究に新たな飛躍をもたらすことを期待しています。
13:00-13:10 | イントロダクトリー 三澤弘明 |
13:10-13:50 | 【研究紹介】伊藤 民武 氏(産総研四国センター)
「プラズモニック光化学における吸収分光測定の重要性」 |
13:50-14:30 | 【研究紹介】上野 貢生 氏(北大院理)
「プラズモン場による電子・振動緩和ダイナミクスの制御を利用した光化学」 |
14:30-14:50 | 休 憩 |
14:50-15:30 | 【研究紹介】平井 健二 氏(北大電子研)
「共振器強結合による集合・反応の操作」 |
15:30-16:10 | 【研究紹介】福島 知宏 氏(北大院理)
「振動強結合下での水和イオンの物性制御」 |
16:10-16:40 | 総合討論 |
16:50-17:05 | クロージングトーク |
17:20- | 意見交換会 |